自動車運転に必要なのは、視力だけではありません。
遠近感や立体感を正しく判断する「深視力」も必要です。
特に中型・大型免許や二種免許を取得する場合、通常の視力測定とは別に「深視力」の検査を受ける必要があります。
本記事では、「深視力」について解説します。
深視力について
「深視力」とは、人間が両眼で見ている物体を1つのものとして認識する目の能力です。
遠近感や立体感を判断し、物体の位置状況を把握することができるため、自動車運転やスポーツなどで非常に重要になります。
中型・大型免許や二種免許の取得・更新における深視力検査
大型トラックやトレーラーの運転席から最後尾までの長さは相当なものになります。
そのため信号を曲がったりバックする際に、立体的に判断できる能力があるかないかが重要になります。
従って、これらの車種の運転免許を取得・更新する際には「深視力」の検査に合格することが必要となります。
<深視力検査が必要になる運転免許>
(2022年現在)
運転免許更新時に知っておきたい「深視力」の検査方法
運転免許センターにおける「深視力」検査では、運転者が物体を正しく立体的にとらえることができるか、遠近感を正確に判断できるかを測定します。
「三桿法(さんかんほう)」と呼ばれる測定方法が用いられ、3本の棒を横一列に立て、真ん中の1本だけを前後に動かす単純な方法です。そして前後している棒が横の棒と並んだタイミングで合図を送ります。
この検査を3回繰り返し、平均誤差が2cm以内であれば合格となります。
深視力検査・測定のための準備
視力が1.5ある人でも深視力が低い場合があるため、検査に不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、準備をすることで合格率を上げることができる場合もありますので、検査前に以下をされてみてはいかがでしょうか?
眼鏡店で視力・深視力を測定する(検査の練習をする)
免許の取得や更新の前に、深視力計がある眼鏡店で現在の視力・深視力を確認することをおすすめします。
自分では見えていると思っていても、実際には深視力が低い場合があるため、注意が必要です。
特に乱視のある方は、棒の数が実際よりも多く見えてしまい混乱することもあります。
測定後には、可能であれば練習を行い、眼鏡作製が必要かなども確認できるので、眼鏡店での測定は肝要です。
自分なりのコツをつかむ
練習をして、どの程度の移動時間で棒が揃うか、ピントが合うか、目線はどこに合わせるかなど、自分なりのコツをつかむことが重要です。
2往復くらい練習することで感覚をつかむことができるかもしれません。
焦ってしまうと視野が狭くなるため、落ち着いて検査に臨むようにしましょう。
眼を休ませる
夜更かしをして、寝不足の状態で検査を受けると、眼の機能が十分に発揮できず、結果に影響を与える可能性があります。
同様に、スマートフォンやパソコンなどの画面を長時間見続けると、焦点が眼の近くになり、移動する物体を捉えることが難しくなります。
検査前には、眼をしっかり休めておくことが大切です。